2010年10月 4日
テクノロジーの先駆者オペルが、エレクトリックモビリティに進展をもたらす
- 「MeRegioMobil」:未来のエネルギーに関する具体的展望を示す実証プロジェクト
- 「メリーバ」電気自動車:未来の知的送電網(スマートグリッド)の移動式貯蔵装置としての役割
- GMが今月発表した2つめのバッテリー電気自動車実証プロジェクト
オペルは、独連邦経済技術省が出資している調査プロジェクト「MeRegioMobil(http://www.meregiomobil.de/)」の参加メンバーとなって、「メリーバ」電気自動車のデモ3台を開発している。同調査プロジェクトでは、未来の知的送電網(スマートグリッド)における電気自動車の"移動式エネルギー貯蔵装置"としての実用性を検証する。
オペルのエンジニアリング担当副社長リタ・フォルストは、
「これらのデモ車両は、GMが既に他の市場で発表しているデモ車両と並んで、電気自動車の実用性、ユーザーフレンドリー性および消費者受容性の調査のために使用される。我々はこの実地試験を通して、ヨーロッパにおけるエネルギーインフラ、省電力技術およびデータ通信の基準の定義付けにおいて、重大な貢献を果たしていく」
と述べている。
■双方向充電技術の試験
オペルは、MeRegioMobilプロジェクトを、将来のモデルに適用し得る新たな知的充電技術の研究に活かしていく。「メリーバ」電気自動車は、230ボルトの家庭用電流または400ボルトの三相交流を使用した高電力充電ができる電子制御システムを備えている。このシステムは、スマートグリッドに適合するように設計されており、また、風や太陽といった、再生可能資源による電力が入手可能かつ経済的であればいつでもバッテリーの充電ができる仕組みになっている。
また今回の実証プロジェクトでは、車が使用されていない状態で、かつユーザーが許可した場合に、双方向充電システムによって電力をグリッドに返還する技術についても研究される。この双方向充電技術の実証試験では、車のバッテリーに貯蓄されたエネルギーの家庭での利用について、その実用性が検証される。
「メリーバ」電気自動車は、215Nmの最大トルクを発揮する60キロワット/82馬力の電気モーターを搭載している。16キロワット時の容量を持つバッテリーが、64kmの走行距離と、時速130kmの最大速度を可能にする。オペルのエンジニアチームは、積荷容量や乗り心地を犠牲にしない電気による走行の実現化に成功した。
フォルストは、
「メリーバ電気自動車は市販モデルのように見えるかもしれないが、純粋に研究を目的としたモデルである。高電流下での充電を1時間未満で行う試験のほか、車両と充電ステーション間の通信プロトコルについても検証していく」
と話した。
■発電機、車両、インフラおよびユーザー間のデータ交換
電力会社グループEnBWのリーダーシップのもと、同プロジェクトには、オペル、ダイムラー、ボッシュ、SAP、シュタットヴェルケ・カールスルーエ(Stadtwerke Karlsruhe)、カールスルーエ技術研究所(KIT)、フローンホーファ・システム・イノベーション研究所(ISI)などが参加している。
「メリーバ」第1号はKITが使用することになっている。残りの2台も、シュタットヴェルケ・カールスルーエとEnBWにてまもなく使用が可能となる。KITとフローンホーファ・システム・イノベーション研究所は、カールスルーエ大学の南キャンパスに"スマートホーム"を建設した。60平方メートルの敷地を持つ"スマートホーム"の建物には、冷蔵庫、オーブン、食洗機、洗濯機など、一般的な電化製品が備え付けられており、太陽電池および小型の熱電併給プラントを電力の供給源としている。このローカル電力網の貯蔵装置として、充電ステーションにはメリーバ電気自動車が接続されている。
MeRegioMobilプロジェクトでは通信技術が鍵となる役割を担う。居住者はコンピューターを使って、住居と車両への電気配分をニーズに合わせて手軽に行うことができる。これにより、メリーバ電気自動車には走行に必要な十分な電力が常に充電され、また、太陽光発電装置から供給されるグリーンパワー(環境に優しい動力)をメリーバ電気自動車が一時的に貯蓄しておくこともできるのである。
参加各電力供給会社は、同プロジェクト実施地域となっているバーデン・ヴュルテンベルク州に数百の公共充電ステーションを目下建設中である。様々な場所に設置されたこれらの充電ステーションでは、再生可能エネルギーによるデモ車両の充電ができる。このように、インフラを実際に使用することによって、新たなデータ通信システムおよび請求システムについての検証も行われるのである。
将来、電気自動車のユーザーは、携帯電話のローミング方式の要領で、どの電力供給会社からでも充電ができるようになるだろう。そして契約している電力会社から一括請求を受ける仕組みも実現する。
■オペルとGM、排ガスフリーモビリティに全力投球
フォルストは、
「MeRegioMobilに貢献することは、日常車としての電気自動車を開発・実証するというGMの世界的企業戦略の一環となっている」
と述べている。
米ゼネラルモーターズは(GM)は、様々な車両電化テクノロジーを提供し、顧客がそれぞれのニーズに最も合った選択ができるようなソリューション製品を提供すべく全力で取り組んでいる。バッテリー、電気モーターおよび電力制御における豊富な経験と専門知識があるからこそ、GMは車両電化テクノロジーにおける最高の選択肢を提供することができるのである。
航続距離延長型「オペル・アンペラ」は、大抵の通勤に利用できて、総走行距離が500km以上のバッテリー電気自動車を求めているドライバー向けの、業界をリードするソリューションである。GMはまた、世界各地の都市市場における電気自動車の運転パターンやバッテリー充電、インフラ、消費者受容性をより深く理解するために、世界各地で実証プロジェクト用のバッテリー電気デモ車両を構築している。また同時に、次世代電化テクノロジーの発展を加速させるべく、革新的なアイデアを持つ新興企業への投資も行っている。
フォルストは、
「エレクトリックモビリティは、オペルや自動車業界全体のために、化石燃料からの更なる脱却に向けた扉を開き、排ガスゼロの交通を実現させる手段である」
と話した。





